小杉行政書士事務所 小杉 幹のブログ

埼玉県川越市在住 サラリーマンが勤まらずに仕方なく独立したしがない代書屋 たまに山を歩いたり走ったり

野口五郎自伝 僕は何者

西城秀樹郷ひろみとともに新御三家として日本の歌謡界、音楽史に残る実力派歌手としての野口五郎と、ミュージシャン、特にマルチスタジオミュージシャンやクリエイターとしての野口五郎という多面的なイメージが持つ大きなギャップを埋めてくれる一冊。
新聞の書評欄に小さく載っていたのを見つけてすぐにKindle版を購入して読了。
電子書籍はこういうときにすぐに読めるのでとても便利。
とはいえ、書評や広告、紹介記事を見て購入したものの読んでいない本も結構溜まってきてはいますが…

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以下引用
「僕は何者?」
ふと自分の人生を振り返った時や、何かに取り組んでいるその時々で、僕が常に自問自答してきた言葉です。
昭和四十六年、1971年五月一日。
「僕は歌手です」
そう言って世の中に出ました。
けれど、デビューしたときからずっと、ただ歌だけ歌っていればいいわけではまったくありませんでした。
ギターやベース、ドラムといった楽器の演奏を突き詰めたり、レコーディング技術を学んで実際にたくさんの曲を録音したり、映画や舞台で演じてみたり。近年では特許を取ってシステムを開発したり、音と医療を結びつけて学者のような研究をしてみたり…

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自分がまだ子供の頃に青いリンゴや私鉄沿線、19:00の街などのヒット曲で知られる歌謡曲の歌手(今なら躊躇なくシンガーやボーカリストと呼ばれるはず)であるが、同時に一流のギタリストでありベーシストであり、ドラマーでもありスタジオミュージシャンとしての実績も多大であり、そして音楽配信サービスをいち早く手がけたり、他人との接触を追跡・記録するアプリを開発したり、はたまた音の周波数と認知症との関係を大学と共同で研究したりと、世間ではあまり知られていない歌手以外の活動について本人の言葉で語られる。
これは飛びついてしまいますね。

本書では、のど自慢荒しだった幼少期、歌手デビュー、ヒット曲を連発するも周囲と自分の方向性のズレ、アメリカでの一流ミュージシャンとの出会い、イップスを発症して歌えなくなったこと、システム開発や大学との共同研究に至るまでが赤裸々に書かれており非常に興味深く読めた。

新聞書評欄の、本当に小さな記事。

それを見逃さなかった自分に感謝したくなるほどの、面白い自伝だった。